Story
主人公の青年は、恋人から突然の別れを告げられる。理由は、彼女の海外転勤。納得できないまま帰宅した彼は、悲しみを「水に流そう」と洗面所で顔を洗った瞬間、意識を失う。
目を覚ますと、そこは別れを告げられた日の朝だった。
最初は戸惑う彼だったが、別れることのない「永遠に幸せな一日」を手に入れたと知り、そのループを楽しむようになる。しかし、何度繰り返しても変わらない会話、同じ味のコーヒー、寸分違わぬ彼女の笑顔…。完璧だったはずの一日は、次第に彼から感情を奪い、輝きを失っていくー。
すべてが虚しくなった時、彼はループの中で一つの決断をする。
これは、永遠の昨日から抜け出し、たった一度の明日を選ぶための、最後の物語。
Concept
本作は、「タイムループ」というSF的な装置を用いて、誰もが持つ「過去への執着」という普遍的な感情を可視化する試みです。
主人公が同じ一日を繰り返す様は、変化を恐れ、美しい思い出の中に閉じこもってしまった心のメタファー(比喩)に他なりません。幻想的な設定と、リアルな心理描写を掛け合わせることで、観る人の心に深く響く、独自の感情体験を生み出すことを目指します。
Location
本作の舞台となるのは、歴史と新しさが共存する街、本郷。
この街は、大学を中心に、いつの時代も多くの若者たちの「出会いと別れ」を見つめてきました。過去の思い出に囚われる主人公の物語を描く上で、この街の持つ独特の空気感は不可欠だと感じています。
本作を通して、東京の街が持つ温かみと、守られてきた風景の美しさを、世界に発信していきます。